あの日あの時(2)

最初の揺れがやっと収まり 急いでリビングへ


電子レンジが飛び テレビが倒れ 金魚鉢が割れた 

食器棚の中のグラス類 カップ類 茶道具 ほとんど重なりあって割れたり 床に落ちたり 

足の踏み場はなく 水、ガス、電気すべて止まっている

余震が怖くて とても片づけなんてできはしない

地震の前のゴーーーという不気味な音 そして ひっきりなしの余震 


ここにはいられない

恐怖におののきながら 10階から階段で下に降り 自転車で近くの公園へ

サラリーマン 学生 付近の住民 たくさんの人が外に出て 集まっていた


何をするべきか

そうだ 何かあったらあの家へ行くことになっていたのでは

よし ガソリンを満タンにし、あの家へ向かおう

運転を始めて数分 いつのまにか渋滞に巻き込まれる

信号が停まり 雪も降ってきた 

ラジオをつけても 直後では何の情報も流れない

これ以上車を動かしていてもガソリンの無駄 と判断し 戻る

そうだ 小学校へ行こう

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