あの日あの時(4)

校庭に車を停め 
ガソリンは半分以下だったので 
エンジンをかけず 暖房もラジオも我慢


その頃 男性数人が 校庭にドラム缶を持ち込み 廃材を入れ 燃やし始めた
暖をとるため近くに行くが あまりの極寒で期待したほどでなく 
それもまもなく消える


車に戻ると 息子から待ちに待った連絡が

しばらくして 家によって食べられそうなもの持ってきた と合流
冷凍ご飯に 納豆 食パン ジャム

眠れない夜が 更けてゆく 


翌朝 ”炊き出しがあります 並んで下さい” とのメガホンの声 行列に並ぶ

本当に小ぶりの ラップにくるまれた わかめと白ゴマ入りのおにぎり1個 
20時間ぶりのご飯で 本当にありがたかった  
冷凍ご飯に比べたらなんとおいしかったこと


車中で食べながら 人の流れを見ていたら 
2日後に出発予定の 九州旅行のチケットの手配で 
他県に出向いていた家人を発見


帰りの高速バスの車中で地震にあったというが ほとんど揺れは感じなかったという
夜遅く 駅に着き タクシーで小学校に来て 体育館で夜を明かしたという


日中は 片づけられるだけ片づけましょうと3人でマンションへ
食器 グラス カップ類の壊れ物だけで 大きな紙袋4個 ・・・・泣くに泣けない

そして 宅電で旅行のキャンセルやら 親戚の確認 ・・・・宅電は使えた


田舎にいた時には 必ず常備していた 卓上ガスコンロもなく
炊き出しだけが頼り

昼には小学校に戻る


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